当店のお茶は

シングルオリジンです。

当店にあるお茶は私が生産者から直接預かるもの。他の生産者のものとブレンドせず、何処の誰が製造に携わったものであるのかを明らかにします。

お茶は、土地・気象・栽培管理・製茶といった多様な要因に左右され、その年その年の出来がまったく異なる作物です。そのためブレンドを行わなければ、一定の品質を保ちながら物量を確保することは困難だと考えられます。

他方、ブレンドを行わない場合にはその土地や生産者の「らしさ」が様々な形で香味にあらわれ、風土と共に農業と向き合う人々の気概をお茶のなかに見出すことができます。工業的な統一規格によるものづくりはできないため、年によって品質は上下します。しかしそれだからこそ、人間には如何ともし難い要素と付き合いながらもお茶とともに生き、商品として申し分のない品質に仕上げようとする生産者の心に接することが叶うと当店は考えています。

当店はそのようにして製造される数多の茶葉のなかから、身体にも優しく、またときに精神的な豊かさを与えてくれるお茶を選んで皆様に届けます。

地味でも、滋味があります。

毎日たくさん飲んでも飲み飽きることがなく、また身体に負担をかけない素直なつくりのお茶を大切にしています。

お茶は価格が高いほどに良質というわけではなく、様々な指標により価格が決められています。

当店は、一般的に高価とされる向きのある強い旨味のお茶でも、また近年勃興する新しい価値観に基づいた個性あるお茶でもなく、昔からあるような目立たないけれどもきちんと作られた日本茶を重んじます。このようなお茶は、煎茶なら爽やかな香りを放ち、ふくよかで胸焼けを起こさない味を持ち、たとえ熱湯でさっと淹れたとしても質を損なうことなく、豊かな滋味を何煎も続けて楽しむことが出来ます。

お茶は毎日の気軽な飲み物と考えています。無理な高級路線をとらず、また質よりも量を重んじる販売は行ないません。日々の米や味噌のような生活必需品として、それだからこそきちんとした滋味があり、かつ地味なものを「いいお茶」と位置づけてラインナップを構成しています。

農薬と化学肥料に頼りません。

農薬と化学肥料を使わないお茶であることは、お茶の選定の重要な要素として考えます。

しかし「無農薬有機栽培」なら良質なお茶になるというわけではないことは大切なポイントです。人がコントロールできない自然条件や、人の経験と技術による製茶工程が噛み合ってはじめて良質なお茶ができあがるのです。

それでもなお、有機的農業によりつくられるお茶の味わいと根底にある農家の思想に、当店は共感します。

在来種が中心です。

品種改良を経ない実生のお茶である在来種をラインナップに多く取り入れています。

在来種のお茶はひとつひとつが異なる遺伝形質を持ち、製茶すると自然とブレンドされ優しい香味となる場合が多くみられます。決して目立たないものではありますが、だからこそ日々のお茶としては飲みやすいのです。現在は在来種のお茶の流通量はきわめて少ないものの、預かることができる限りは皆様にお届けしたいと考えています。

もちろん、在来種だけが優れているわけではありません。「やぶきた」をはじめとして、その生産家らしさを感じられる良質なお茶ならば迷わずセレクト。

大阪・水無瀬の店舗では試飲できます。

当店では茶葉ご購入を検討くださる方むけに、殆どのお茶のご試飲を承ります。何はともあれ飲んでみないことにはわからないはずですから、阪急水無瀬駅・JR島本駅のいずれからもほど近い当店内にてゆっくりお茶をお試しください。

店舗の案内はこちらです。実は飲食店でもあります。
https://chaokamura.base.shop/p/00001

そもそも、どうして日本茶なのか

生産農家でもなければ実家が代々の小売店というわけでもありません。
私が日本茶を仕事にしようと決断した理由はブログにしています。
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